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最終更新日2005/05/27 |
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シュウ酸(蓚酸) しゅうさん oxalic
acid 分子内に 2
個のカルボキシル基をもつジカルボン酸のうちの最も簡単なもの。生体内でグリオキシル酸の酸化によってできる代謝副産物である
(グリオキシル酸回路)。多くの植物中にカリウム塩やカルシウム塩などの形で存在し,遊離の酸としてもカタバミ
(Oxalis属で,ここから oxalic acid の名がきている),スイバ,バショウなどに含まれることから,フランスの化学者
A.L.ラボアジエによって命名された。日本語名のシュウ
(蓚) 酸はスイバの漢名“蓚”による。比重 1.90,融点
189.5 ℃。吸湿性の無色結晶で,空気中に放置すると 2
分子の結晶水をもつ 2 水和物 (融点 99.8 〜 100.7 ℃)
になる。水やエチルアルコールに溶けやすいが,エーテルなどの有機溶媒には溶けにくい。二塩基酸であることから水中では
2 段階の解離を行う (25 ℃における酸解離指数 pK1=
1.271, pK2= 4.266)。 190 ℃付近で分解し,ギ酸,一酸化炭素,二酸化炭素を生じる。種々の金属と安定な塩をつくる。ある種の菌類,二枚貝の外套膜,人間の尿中にも少量含まれて,尿中のシュウ酸量が増加する症状は おがくずのアルカリ処理,砂糖の硝酸酸化や,水酸化ナトリウムに一酸化炭素を吸収させて生成するギ酸ナトリウムを加熱してシュウ酸ナトリウムとし,さらに水酸化カルシウムによってカルシウム塩に変え,次いで硝酸で処理するなどの方法で製造する。染料などの原料,繊維,麦わら,皮革の漂白剤,鉄さびの除去剤,インキ消しなどに用いられるほか, 2 水和物が純粋に得られることから中和滴定や酸化還元滴定の標準物質として使われる。 + 柳田 充弘
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