welcome堆肥屋com へ |
|
最終更新日2005/05/27 |
|
脂質 ししつ Lipids 多様なグループの脂肪性の物質で、すべての生体にみられる。水にとけないが、アルコール、エーテルなどの有機溶剤にとけるという点を特徴としてまとめられたもので、化学的にはさまざまなタイプをふくむ。 細胞にとってもっとも重要な脂質のひとつは、細胞膜(→ 細胞)の主成分のリン脂質である。リン脂質は、水や水溶性化合物の細胞への透過を制限し、内容物を外環境からへだて維持している。 油脂はトリグリセリドともよばれているが、動植物細胞の予備エネルギーの役割をはたす。油脂の各分子は、脂肪酸とよばれる基礎単位がグリセリン(グリセロール)とよばれるアルコールにむすびついて構成される。生体は食料や光合成で余剰のエネルギーをえた場合、そのエネルギーをつかってトリグリセリドを貯蔵する。のちにこれが生体の必要に応じて分解され、エネルギーを生みだせる。油脂は、単位重量当たりで炭水化物やタンパク質の2倍のエネルギーを貯蔵できる。→ 栄養 ほかに重要な脂質として、植物の葉や、動物の表皮に保護被覆をほどこすろうや、ビタミンDとか数種類の主要ホルモンをふくむステロイドがある。緑黄色野菜にふくまれるカロチノイド(→ 色素)も、重要な脂質グループのひとつである。 油脂の性質と用途 動植物の組織に存在する油脂の成分でもっとも多いのは、脂肪酸の炭素数が17個のステアリン(C17H35COO)3C3H5(ステアリン酸CH3(CH2)16COOHのエステル)とパルミチン(C15H31COO)3C3H5(パルミチン酸CH3(CH2)14COOHのエステル)という飽和脂肪酸が大部分で、不飽和酸のオレイン(C17H33COO)3C3H5(オレイン酸CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COOHのエステル)などがこれにつぎ、これらの成分は、ほとんどすべての油脂に共通してふくまれる。それ以外の成分は、油脂の種類によってさまざまである。炭素数12以下の脂肪酸をふくむエステルは、バター、ヤシ油にふくまれ、反対にナタネ油、落花生油には、炭素数20以上の脂肪酸をふくむエステルがふくまれる。脂肪酸の分子量が大きくなるほど、油脂の融点は高くなる。 |