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ぶどう 日照不足での葉面散布本年(2006年)関東での天候はここ20年来の日照不足がいつまでも続いております。 その為の対策として、亜リン酸とカリウムの葉面散布を強く勧めるわけですが、その原理と間違いのない散布および、納得づくの作業を行うためにできるだけ簡潔に解説いたします。 日照不足でのリン酸供給葉の炭水化物(C)の蓄積不足葉では、日中に明反応での光合成が行われ、葉に炭水化物を蓄積しますが、その蓄積された炭水化物を夜間の暗反応で、根から吸い上げたチッソなどのイオンの同化を行い、光合成タンパク質などを蓄積し、それぞれの機関に転流いたします。 しかしながら、本年のような日照では、炭水化物の蓄積が少なくなり、根から濃度勾配(土壌水と根と茎葉の水の濃度がブドウの意志にかかわらず一定になろうとする。)により、5要素のうちチッソの多い成分だけが、茎葉に浸透してきます。 その際の、リン、カリなどは置いておかれ、特に重い元素である、カルシウム、マグネシウムは、茎葉への移行が少なくなります。 P/Nを高める現時点で問題になるのは、開花に向けてのリンの供給であり、その養分のP/Nを高めることが、多くの花と4倍体の滅数分裂を多くさせ果実の細胞数を多くするために是非とも必要となります。 炭水化物の蓄積の不足は、C/Nの低下を招き、花芽の形成不足と花数の減少を招き、最悪の場合花振るい(ブドウの)を来すこととなります。 C/Nの低下は、結果的にP/Nの低下に結びつくため、リンを供給することを第一の仕事にするべきです。 この時期のリンの供給不足が、ブドウの収量と品質を左右することは周知の事と思いますが、果実が生長する際に葉からの養分が転流される以上に、果実が葉からの養分を吸い取る動機を持たせる事をするべきで、それは、細胞数を多くすることでありその為に必要なことは、P/Nを高めることであります。 根からのリン酸供給の限界栄週の理論のできた60年前の土壌は、リンなどの養分が極度に少なく、リン酸の土壌散布を行うことで一定の結果を示すことができましたが、現在の圃場は平均的にリン酸が過剰に蓄積していても、過去の植物質堆肥、モミガラ、わらなどの木質残渣の過剰施用により、微生物分解でのリン酸飢餓を招いていますので、土壌からの供給では、一定の効果を上げることができないと断言できます。 その上本年の天候での日照不足では、葉の蒸散流の不足が、チッソ以外の養分を根から吸い上げることが不足することと、土壌水分の過剰により、嫌気微生物の活動が活発になり、土壌空隙の酸素不足を招くために、根の発根数の減少で、根の表面積が不足することで、一層リン酸の土壌からの供給を低下させます。 PSダッシュMEの使用60年前に無かった、SSのおかげで、葉からの養分供給を行うことができ、日照不足の本年こそ、リン酸の葉面からの供給が、品質、収量を決定することとなります。 その為には、PSダッシュMEが最良の効果を示すことを保証しますが、その理由は亜リン酸カリウムという液体であることで、過リン酸を溶かした資材と違い、純粋にリンとカリの成分であることで、その為30%のリンと30%カリを供給できます。 過リン酸には、過燐酸石灰という用に、石灰と硫黄が含まれ、必要なリンは17%程度しかないためで、必ずPSダッシュMEの使用をお勧めします。 また、メーカーおよび、大塚化学の土壌養液栽培を開発した人によりますと、欧米での亜リン酸カリウムの使用理由の1/3は、べと病対策であり、アリエッティーCの分子の骨格構造が、亜リン酸カリウムと偶然同様であり、一定の効果を示しているため、使用するそうです。 PSダッシュMは、アリエッティーCと混用できるため、農薬の使用量を削減することができるかもしれません。 また、農薬取締法上で、効果の点から、亜リン酸カリウムを農薬としての登録を受けさせようと言う動きがあるとの情報もあるようです。 本年のような天候こそ積極的にPSダッシュMEの使用をお勧めします。 日照不足でのカリウム供給カリウムの理論的必要性日照不足でのカリウムの効果は、栄週の理論では気孔開閉の為にカリウムイオンの濃度が高くなることで光合成を活性化することを示し、曇天での土壌へのカリウム散布を推奨していますが、リン酸同様60年前の土壌より有機質肥料の使用による残渣のため、一般的に土壌のカリウム含有量は高く、土壌への散布だけでは、日照不足の蒸散の低下による転流の減少のため、土壌のカリウム施肥だけでは、良好な結果が期待できません。 本年になり、高知県で栄週による農薬削減を実現している長山さんから、硫酸カリウムの500倍の葉面散布により、スリップスや病害を止めることができているとの報告を受け、インゲン、カボチャ、ほうれん草などで実践し、本年の日照不足にかかわらず、インゲンは過去最高の収量を維持し、カボチャは無農薬を実現しています。 そのメカニズムを数点列挙します。 1. Kイオンによって活性化される酵素は50を超すが酵素タンパク質などの高分子は水中で1価のイオンが100〜150mM共存すると、水和しやすく安定となる。動植物の成長には必ず酵素が関わっているため、酵素の活性とは、成長の活性を示している。従って、日照不足や低温では、カリウムの葉面の濃度を高める必要がある。 2. K欠乏植物では、可溶性炭水化物の蓄積デンプン含量の低下、可溶性窒素化合物の増大などがあり霜の害に弱くなり、菌の感染にも弱くなる。可溶性のチッソとは、最近言われる未硝化チッソであり、チッソ過剰施肥での病害の発生と同様の理由で、日照不足でC/Nが低くなると病害に弱くなるのもこのためで、Kの葉面からの供給が必要となる。 3. K欠乏になると、葉緑素の主要なタンパク質である、RuBPカルボキシラーゼの合成を阻害されるが、1mM程度のKを添加すると回復する。上記1と同じ事を言っているようである。 4. 果実では、細胞の浸透圧はほぼ一定に保持されているが、その搾汁についてみると、生育初期は、Kや有機酸が主要な溶質であるのに対し、後期には糖が主要な溶質となる。この部分が一番重要で日照不足であろうと好天あろうと、果実の生育初期にKの濃度を高めることは、収穫時の果実の糖度を保証する上で、重要な要素となり、言い換えればこの時期(肥大期)のカリウムの供給が収量と糖度に反映されることは、栄週の理論でもしつこく展開されていることで、美味しいブドウを生産するには、上記着果期のリン酸と肥大期のカリが、増収を実現することとなり、本年のような天候でも一定以上の効果を示すこととなります。 鉾田市のメロンでは、本年にこの天候で作年以上の糖度と品質を実現できています。 5. K欠乏になると、Kは成熟葉や茎基部から再転流して新しい器官に移動するので、成熟葉や茎の基部では葉色が淡くなったり、黄変したり褐変する。また茎部のリグニン化が妨げられ、植物が弱くなって倒伏しやすくなる。葉色が淡くなるのは、チッソだけの原因ではなく、葉色の観察で、薄い場合にチッソを供給する以上に、果実の肥大期のカリウム供給を行う必要が理解できます。 6. Kは気孔開閉や液胞の浸透圧維持に働くので、欠乏すると水分吸収や蒸散制御が不能となり、水分飢餓に非常に弱くなる。施設園芸では、天候不順から急激な晴天によるしおれが問題になりますが、鉾田地区のメロン産地では、しおれを問題とするのは、有機偏重圃場に多く、確実なカリウム供給で回避できています。 7. K欠乏では、葉の浸透圧維持に糖が用いられることと、スクロース合成速度が遅くなるため、篩管への転流速度が遅くなることが知られている。果実の収穫期のカリウム欠乏が糖度の 減少を招くおそれがあるようですが上記4で示す通り、果実肥大期のカリウム供給が、糖度の維持に関わると認識できます。 カリウム葉面散布とにかくカリウムを散布することですが、土壌も含めて、上から下から入れるべきで、上記高知のかたは、雨の日には毎日散布しているようで、農薬とともに、肥料とともに、常に太陽の代わりとして、カリウムを葉面散布することをお勧めします。 現在の経営農業の目的は、単位面積でのより多くの収量を求めるものですが、その為に必要なのは、茎葉の生産能力を最大限に引き出すことで、自然界の悠長は植物とは、違う仕事を求めるべきであり、本年のような天候では、それを要求するには、葉のカリウム濃度の維持を最重要の仕事として受け止める必要があります。 本年のメロン、インゲンにおいて実現できておりますので、躊躇無くカリウムの葉面散布を行ってください。 実際の作業開花期1. 花芽形成期から、2回以上にわたり、PSダッシュME1000倍、ソリボー武田2000倍、曇天時には、同時に硫酸カリウム1000倍、スサノオ1000倍2. 欧州系では、硫カリ500倍で葉に障害が、でるため硫カリ1000倍にする、巨峰、青龍では、硫カリ500倍でも障害はでない。3. 土壌への過燐酸石灰の散布も行うべきで、反当10kg程度を2回4. 硫カリの土壌散布の有効だと思われる。反当5kg程度を1〜2回とにかくリン酸を葉から根から供給し、最大の花数を目指すべきで、すべての結果は、この仕事次第と認識するべきで、日照不足での太陽の代わりに硫酸カリウムを用いることを忘れてはいけない。 土壌ECを把握することを必ず行い、来年以降の自身のある農業のために準備する、ちなみに、本多さんの結果では、0.2〜0.3での開花期の状況が非常によく、花数も十分である。 0.3以上のECがある場合、P/Nを高めるために、PSダッシュMEを回数を増やしたり、濃度を濃くして散布する必要があり、0.5以上では、土壌からのリン酸と、葉に障害がでない寸前の認識でリンを供給すべきです。またソリボー武田を必ず使用すること。 0.1以下では、ALL14などの肥料を5kg程度散布し、再びECを検査し、0.2程度にあげたいが、昨年以前のその圃場の癖により、よくよく上記の原理を鑑みておこなうこと。 肥大期果実の肥大が認識できた頃より、ALL14などを追肥しECをできれば徐々に0.4〜0.6程度に高めていき、養分の供給を適切に行い、果実の肥大を実現する。 肥大期に入っても、日照不足であれば、常に太陽の代わりとして、硫酸カリウムの農薬、殺菌剤などとともに、500〜1000倍で常時混入する。 実際のところ日照不足であろうと無かろうと、このカリウムの葉面散布が必ず果実の肥大を上記に示すとおりカリウム濃度の果実の蓄積が糖の上昇を招くので、怠ることなく常に使うことをお勧めします。 PSダッシュME(2000倍)も常に使用することも、良好な結果を実現します。 また、土壌への硫カリの散布も反当2kg程度数回に分けてALL14などと共に行うべきです。 ALL14などの散布は、反当1回につき10kg程度で行い、ECの上昇や、減少を常に把握し、適切なECを維持することをお勧めします。 果実の初期の肥大期のスタートが、必ず良好な結果をもたらすこととなるでしょう。 着色期の為に着色期には、再び記事を示しますが、肥大期の土壌のECの上昇を行ったことが、増収を実現しますが、重要な認識として、着色期には、与えられた肥料が適切に使用し尽くされ、最低限(Nm)のチッソを残すことが、カルシウムの転流と糖度の蓄積を実現しますので、高められたECは、着色期には、EC0.2〜0.25に減少する必要があります。 その時期に詳細を述べるとして、果実の肥大には、障害を出す手前の必要以上の肥料分が必要であり、それがEC0.5前後であると思われ、天候の不順の場合には、葉へのカリウム供給で、病害を回避し、最大の収量を目指すべきですが、いつまでも肥料、特にチッソが残留していると、果実は大きくなりますが、着色不良と糖度の低い、水っぽい果実になってしまいます。 したがって、肥大期の肥料は、絶対水溶性の化学肥料を使い、有機質肥料の投入は、行わないこと、農協、肥料屋が勧める、肥効調節肥料、暖効性肥料を絶対に使用しないことです。 過去の有機質肥料過去に使用した有機質肥料は、木質残渣ですと向こう20〜50年、動物質肥料や、油かす、米ぬかなどは、2〜5年影響を与え、土壌のECを予測のできない状況で変化させます。 自分が肥料を入れていないのに、ECが上昇するとか、肥料を入れたのに上昇しないのは、すべて有機質の過剰施肥によるものと理解して、葉色や果実の肥大性を認識し、常にECを測定し、その場のすべての状況を素直に受け入れ、追肥を行うことをお勧めします。 施設園芸では、ECを測定するようになり、ほとんどの人で追肥によるECの思うとおりの上昇が無いために、不安になることがあり、そのすべての原因は、過去の有機質肥料の挙動であると認識します。 それでも納得できない場合は、周囲と相談するなり、松元(著者)への連絡を行い、納得した上での作業をお勧めします。
(有)バイオマスジャパン 松元信嘉 0296−72−8068
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