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土壌環境研究

土つくりは、本当に必要か?

有機物投入からケイ酸資材の投入へ

現在の農業の基本は、すべて土つくりをどのように、どんな資材で行ったかが農家や農産物の販売小売店の消費者へのアピール点となっているようです。

テレビやラジオでのインタビューでも、ほとんどの農家が土つくりを堆肥で行ったとか、緑肥を使用したとか、環境にやさしい農業を実践していると共に、自分の農産物が土つくりによって如何においしい農産物になったということを自慢しています。

かく言う自分も、以前は他と同様に自社堆肥による土つくりを実践し、堆肥販売農家にも同様に土つくりを推進斡旋してきました。

しかし、土つくりにこだわりすぎた(堆肥を入れすぎた圃場10a当り3トン以上投入)圃場では、良好な結果が得れないばかりでなく、過度な場合や、高温多雨のような気候状態では、障害を発生するようになりました。

そのすべての原因は自分の堆肥にあるのだろうと、ずいぶん研究しましたが、当社堆肥は、従来の堆肥と違い、初期の易分解性の有機物を非常に長い時間をかけて確実に分解しているため、自分の堆肥の特異的な障害と言うよりは、炭素率の問題での窒素飢餓と土壌内の酸素不足によるものであることがわかりました。

そこで、有機物での土つくりよりも、粘土鉱物による保肥力の改善こそが土壌の健全性、いわゆる土つくりの基本であると思い、新たに知識を得ることが出来、ケイ酸資材(ソフトシリカ)等の無機資材を投入することを平行に行うことが、一様の良い結果を得ることが出来るようになりました。

その効果は、有機物の投入だけでは、つまり腐食酸の投入だけでは、土壌コロイドの基となる、粘土鉱物の改善には、何ら寄与することが無く、粘土鉱物すなわち、ケイ酸とアルミナのケイバン比の改善をすることが、必要であるとの認識です。

この作業は、現状では一番流行している方法であり、経済連関係では、ゼオライトやケイカルを投入しています。

この手の資材の投入の基本的概念は、保肥力の改善と、ケイ酸の投入によるケイバン比の改善による、リン酸の有効化の改善を目的とした技術です。

この技術は、たしかに優秀であり、自分も少し前までは、一抹の疑問を持ちつつも、自分自信を納得させて、顧客農家にも進めていました。

無駄な資材の投入

しかし、その手の資材は基本的に非常に高価で、有機栽培にこだわっていた農業では、有機質肥料が非常に高い上に、土壌改良剤も同様かそれ以上の金銭がかかってしまうこととなります。

そして、思っていたほどの効果は上がらず、良かったような気がする以上に、良くなっていなければ納得できないだけの金銭を使っているので、無理に納得しようとするようになりました。

そこで、今まさにこの文面を読まれている方もそうだと思いますが、より一層、自分がかかわっている農業という事業は、生き物を扱っているので、やればやるほど難しくなるもので、それが、消費者や世間に話題とするのにむしろ自分のこの境遇が、快感のような錯覚を覚えてくるようになりました。

”むずかしい” この言葉ほど、自分の無能さを隠してくれる言葉はありません、スポーツでも学問でも、その技術が未熟であればあるほど、自分の未熟さや無知さを隠す為に、それを全く知らない人に対して、難しいから説明できないかのように言います。

しかし、スポーツの達人同士では、難しい事よりは、メンタルな面を話題にすることが多く、練習どうりに行えば最良の結果を得ることが出来るということを色々な場面で証明しています。

農業のメンタルな面とは、こと土つくりにおいては、自分のしてきた行いのこだわりを捨てることではないでしょうか。

有機質肥料だからおいしいはずだとか、ソフトシリカを使ったから、窒素の無駄ききが無くなり、リン酸を吸収してくれるはずだとか、期待いっぱいなのに、結果が出ない場合や、それなりの結果が出ても、土壌分析の結果が何らかの養分過剰になっていたり、ECが1.0近くになっているような場合には、事実として、植物が何らかの原因でその肥料分を利用していないか、もしくは、利用する以上の肥料分を投入していることとなります。

肥料分が過剰にあると、土壌養液の濃度が植物体内(特に根)の養分濃度よりも高いと逆浸透により、根の水分が、土壌養液を薄めようとして、土壌中へ浸透拡散し、植物体内の水分を吸い出してしまいます。

この現象は、厳寒期の定植から、春夏の収穫を行うメロンや小玉スイカ等の作方では懸著に発生し、啓蟄(3月6日前後)以降の土壌温度の上昇とともに、急な晴天の日照とハウス内温度の上昇も手伝って、葉の枯れ上がりなどの兆候を示す事の原因は、すべて、厳寒期に無機化出来ないでいた、有機質肥料や未熟堆肥の急激な無機化による土壌養液濃度の上昇による、植物体内からの水分欠乏から起きています。

話しが少しそれましたが、ようは現実に起きていることを真摯に認識し、科学的に明確に分析することを始めるべきで、過去の作業を正当化させるために、言い訳を見つけ、簡単な問題を難しく言うのは、やめるべきなのです。

その作業は、肥料メーカーと肥料販売業者に任して、我々農家は、今現実に起きているもしくは、あなたの圃場で起きている疑問を、とにかく解決できるまで、悩みつづけるべきなのです。もしくは誰かや及ばずながら私などの経験者に確認することにより解決すべきです。

自分も相当悩みぬき、一つの結論に達したのです。

土つくりが土を壊す。

土に訊けでも解説したように、肥料の投入や、土壌改良剤の投入は、土壌環境を改良する以上に何らかの負のこん跡を残す場合が多く、特に、有機だろうが化学だろうが、肥料の過剰投入は、良い結果を期待するには、雨の降らない、太陽の日射量の多い天候を常に願っているしか方法がありません。

ソフトシリカやケイカルなどの無機資材は、基本的には土壌を破壊しないようですが、肥料でもないものを、10a当り二万円近くも投入するのは、非常な負担ですし、その効果の明確でないのは、それを使用している農家が、訳のわからない機能水や、高級肥料を使用したり、常に難しい農業の論法を表現するところに、自分自信の疑問が起きてきたのです。

難しい資材を利用しなければならない農業は、いつまで続けられるのかということ、その資材の供給が無くなったり、今以上の高額になった場合に、続けられるのかということ、そして何よりも、資材代は毎年高くなるのに、農産物の単価は、下がり続ける一方だということ。

”おかしい” これが、経済の基本中の基本であるところの農業なのだろうか、国民の未来永劫の繁栄の要となるべき、食料の生産現場の実情が、肥料業界の利益ばかりになり、我々農業者は、多くの利益を求めることができずに、時代の閉塞感に翻弄されつづけている。

その考察は、簡単な事です。

  1. 余計なものを入れない。
  2. 過剰な肥料は入れない。
  3. 高い資材は使わない。
  4. 過度な期待を土壌や農産物にかけない。
  5. 無機化のタイミングのわからない有機物肥料は、極力使用しない。
  6. 過去の仕事を無理に正当化しない。
  7. 結果をより、正確に客観的に判断する。
  8. 他人の意見や評価を否定せずに、まず受け入れてから考える。
  9. 非科学的なものに夢を描かない。
  10. 極端に結果を出せたり、良い事ばかり言う技術には疑問を持つ。

これらから導き出された結果は。

  1. 土つくりをするよりは、土壌の維持に心がける。(余計なものを入れない)
  2. 最低限の堆肥だけで、無肥料で出発し追肥型にする。(過剰施肥の防止)
  3. 高い資材は、新しい資材で3〜5年でなくなる場合が多い
  4. 必要なときに、肥料を施し農薬を散布する
  5. 水溶性の肥料を必要に応じて使用し、且ついつまでも残らないようにする。
  6. 天候やむずかしさのせいにしない。
  7. 良し悪しの原因を、単一の資材だけで判断しない。
  8. 良いか、悪いかは、他人の判断にゆだねる。
  9. 微生物、アミノ酸、核酸、機能水、波動水、これで永続的に解決できたものはない。
  10. 極端な結果を言うのは、すべて商売の為が往々にして多い。

つまり、土つくりを推進するよりは、土壌の維持を基本において、無肥料で出発し、天候(日照、降雨)によって、作物の育ちや、病虫害の発生状況を鑑みながら肥料を施し、養分貯蔵体の収穫物には、肥料分とりわけ窒素分を残留させないようにする為に、最小限の水溶性肥料によって、なるべく回数を多く薄く使用し、収穫前と収穫後の圃場の養分状態を常に一定の状態に維持することを心がける。

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