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土壌環境研究

消石灰とは?

農業資材の中で一番誤解されているのがこの消石灰のようです。

自分自信も完璧には納得していませんが、土壌酸性の矯正剤としては、特に安価でありますし解りやすいのですが、セメントの材料と同じということで、土壌を硬くする代名詞かのようになっています。

消石灰の主成分は水酸化カルシウム(Ca(OH)2)で土壌中に混和すると短期間で炭酸カルシウム(CaCO2)となります。

これは、一般的に言う炭カルや貝化石、かきがら石灰と全く同じで、酸性強制の要の物質である、炭酸カルシウムの成分含量は、天然のカキガラや貝化石の2倍前後あります。

セメントとは、コンクリートの原料の事ですが、下記のポルトランドセメントに骨材となる石や砂などと混合しコンクリートとなります。

セメントは?

典型的なポルトランドセメントは、ケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO2)とアルミン酸三カルシウム(3CaO・Al2O3)およびケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO2)をいろいろな比率で混合した混合物で、少量のマグネシウムや鉄分をくわえてつくります。石膏(せっこう)硫酸カルシウムCaSO4・2H2Oは硬化のプロセスをおそくするためにくわえられる。

セメントの中にあるこれらの活性配合物は不安定であるが、水をくわえると構造をくみかえる。セメントを最初にかためるのはケイ酸三カルシウムの水和作用で、ゼリー状のシリカと水酸化カルシウムをつくる。これらの物質は最終的には結晶化し、モルタルやコンクリートにふくまれている砂や石の分子と結合して、かたい塊となる。

ポルトランドセメントは石灰分をふくむ材料、通常は石灰石であるが、粘土や頁岩(けつがん)またはアルミナやシリカをふくむ高炉スラグとまぜてつくられる。およその配合比率は、石灰60%、シリカ19%、アルミナ8%、鉄分5%、マグネシア5%、三酸化イオウ3%の割合である。

昨今、農業の現場で言われている消石灰はセメントの原料であるとの認識は大筋では間違っていませんが、上記のように消石灰の原料である石灰石(CaO)に高炉スラグを混ぜて作られるということで、目的が全く違いますし、上記の工程を経たもので無いとセメントには成りません。

つまり、消石灰がコンクリートの材料であるという事は、間違いであると言えますし、まして土壌中で固まって土を硬くすることには、化学的には全く根拠がありません。

消石灰が障害になる理由

消石灰や炭酸カルシウムは、土壌中に散布混合すると、リン酸鉄及びリン酸アルミナを炭酸の水溶液の中で可溶性にすることが出来るので、リン酸(P2O5)を利用できやすくしますし、またカリ(K2O)をも可溶性に変えるることが出来ます。

そして、ここが重要ですが土壌中に含まれる腐食酸のリグノプロテイン態窒素を活性化させて、微生物代謝による分解を促進する為、一次的に地力窒素効果を高め現存有機物を利用減少させるため、土壌の腐植率を下げることを同時に行います。

したがって、粘土鉱物による土壌コロイドとそれを結びつけている、接着剤である腐植物質を減少させるため土壌の団粒構造が破壊されると同時に、耐水性団粒も強度を失い土壌を単粒化させて、結果、土を硬くしているようです。

つまり、化学肥料などの無機物に偏った施肥方法において、消石灰を使用することによって土壌を硬くする症状が、10年ぐらいの偏重使用により出てくるようで、堆肥などを年間500kg以上投入していれば全く起こり得ない現象であり、それはかきがら石灰や貝化石でも同じことが起こります。

それ以上に、殺菌効果や、土壌酸度の修正など、ここに来て今一度消石灰を見なおし、あまり根拠の無い化学知識で、惑わされないことが必要だと思います。

 

 

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